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【演者】伊藤 敬 先生(長崎大学医歯薬学総合研究科生化学 教授) 【演題】ヒストンH2Aのリン酸化はサイクリンD1発現を促進し癌化を引き起こす

  • 執筆者の写真: SystemsBioMedicine TMDU
    SystemsBioMedicine TMDU
  • 2016年12月5日
  • 読了時間: 2分

第17回システム発生・再生医学分野セミナー

第2回再生学領域セミナー

転写サイクルセミナー

 真確細胞内で高次構造を形成するヒストンの翻訳後修飾は様々な生物学的現象と関連している。ヒストンのアセチル化酵素やメチル化酵素の異常は癌化との関連で注目されている。我々はリン酸化に注目しヒストンH2AのC末端リン酸化が種々の癌細胞において亢進していることを明らかにした。これらのリン酸化は我々が同定したショウジョウバエNHK-1のヒトホモログ−VRK1により触媒されることを証明した。培養細胞を用いてVRK1をノックダウンすると種々の遺伝子発現が低下し増殖も低下する。複数の細胞で共通して発現が低下し、細胞増殖と関連したものとしてCyclinD1を見いだした。CyclinD1のプロモーター領域ではVRK1の局在とヒストンH2AのC末端リン酸化を認めた。ヒストンH2AのC末端リン酸化の癌化への役割を明らかにするため、ヒストンH2AThr120をリン酸化トレオニンの模倣であるアスパラギン酸で置換し NIH3T3に導入し高発現とした。変異ヒストンの発現はNIHH3T3をトランスフォームすることを明らかにした。ヒストンH2Aのユビキチン化はヒストンH2Aのリン酸化と相互に抑制しあい、H3K4のメチル化を調節することにより遺伝子転写を制御することをin vitro 転写により明らかにした。これらの所見はヒストン修飾酵素の異常が癌化を引き起こすメカニズムの一端を証明したものである。

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東京科学大学 医歯学総合研究科 システム発生・再生医学分野

​教授 浅原弘嗣

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