医学部2年生 分子遺伝学

当分野は、医学部2年生の分子遺伝学の系統講義を担当しています。
15コマで、大多数が受験で生物学を選択していない医学生低学年に、これから学ぶ医学の基盤となる分子生物学とヒト遺伝学を学んで頂くには。。。
大学教官X年生 
反省しきりの 
Passive Teaching
Ⅳ.   良かったと(私が勝手に)思うところ:
 
発表者が、自然と、友人の発表を引用しながら繋がった講義を展開してくれた

 ➡自然と皆の理解につながり、また記憶野にひっかかりやすくなったのでは
 

学年全体の自信、連携につながり、結果、ヒト分子遺伝学の教科書を学年全員で分担して一月足らずで、読破した

 ➡お互いに知識を共有しあうという、医学ネットワークの構築につながるのではと期待

●ベストプレゼンテーション(班)

1位 10班(7章) 22票

2位 4班(20章) 6票

3位 19班(2章) 5票

 

●ベストプレゼンテーション(個人)

1位  田邊さん 11票

2位  高嶋さん 5票

2位  三木谷さん 5票

2位  李さん 5票

5位  藤田さん 4票

Ⅲ.実際のPassive Teaching ←Active Learningと表裏一体
学生5人一組のグループで「ヒトの分子遺伝学」を1章づつ担当し、事前にスライドを作成し10分程度で発表してもらう。(21章分)
授業の前半(2グループで30分)で学生がプレゼンを行い、その後、教官の講義。
その際に、担当した単元に関連する論文を1人1報読んでA4(1枚)にまとめたものも一緒にデータで提出する。⇒論文は過去10年以内の原著論文
Chapter1 核酸の構造と遺伝子発現 
Chapter2 染色体の構造と機能
Chapter3 家系と集団における遺伝子
Chapter4 細胞と細胞間情報伝達
Chapter5 発生の仕組み
Chapter6 DNA の増幅:細胞を用いたDNA クローニングとPCR
Chapter7 核酸ハイブリダイゼーション:原理と応用
Chapter8 遺伝子とゲノムの構造および発現を解析する
Chapter9 ヒトゲノムの構成
Chapter10 モデル生物、比較ゲノム学、進化
Chapter11 ヒト遺伝子の発現
Chapter12 ポストゲノム時代の遺伝子機能の研究
Chapter13 ヒトの遺伝的多様性とそれがもたらす結果
Chapter14 メンデル遺伝形質の遺伝的マッピング
Chapter15 複雑疾患の感受性に関連する遺伝子のマッピング
Chapter16 ヒト疾患遺伝子と感受性因子の同定
Chapter17 がんの遺伝学
Chapter18 個人を対象とした遺伝学的検査
Chapter19 薬理遺伝学、個別化医療、集団スクリーニング
Chapter20 疾患モデルの作出や遺伝子機能の解析に必要な動物個体の遺伝子操作
Chapter21 疾病治療への遺伝学的アプローチ
Ⅰ.   分子遺伝学カリキュラムの構成:
コアになる講義+
学生自らが勉強し用意したスライドと発表
これだけは自分たちのベースとして知っておこうとお互いに確認した学生による試験問題作成

多くが人生初めてとなるPubMedを用いた最先端の論文検索と査読、要点まとめ

V. 論文について:

Pubmedなどの使い方を伝授、PDFでおとした論文を共有

テクニカルタームの難しさにまごつくが。。。。。
英語構文自体は決して難解なものではないと理解 ←ここ、重要
やる気のある学生には、100をこえる原著を仲間同士の要約を通して、ななめよみすることができる
大学院生のジャーナルクラブでもなかなか到達できないレベルの知識を身につける方もでてくるか?!
​ある年の問題 (これだけわかればいいでしょ。おあとは、研究室で!)

以下の問すべてについて、それぞれキーワードを5つあげ、図示しながら説明せよ。

1.遺伝子発現のメカニズムについて、具体的な転写因子をあげて説明せよ

2.セントトメア、テロメアについて説明せよ

3.ミトコンドリア遺伝病について説明せよ

4.組織幹細胞について説明せよ

5.発生におけるパターン形成について説明せよ。

6.PCRについて説明せよ

7.ハイブリダイゼーションの基本的原理について説明せよ

8.遺伝子配列の同定手法について説明せよ

9.miRNAの生成と機能の分子メカニズムについて説明せよ

10.性染色体の進化について説明せよ。

11.エピジェネティックスについて説明せよ

12.ポストゲノムアプローチについて、具体的な技術、戦略をあげて説明せよ。

13.SNPとヒトの疾患について説明せよ。

14.遺伝的マッピングの意義について説明せよ。

15.連鎖不平衡に基づいた関連解析について説明せよ。

16.ポジショナルクローニングとゲノムワイド関連解析の目的、原理、利点について説明せよ。

17.ゲノムの不安定性とがんの発生について説明せよ。

18.個人を対象とした遺伝学的検査について説明せよ。

19.個別ゲノムを基盤にした個人化医療について説明せよ。

20.疾患モデルとしてマウスを用いた遺伝学的研究について説明せよ

21.遺伝子治療の実際について説明せよ

Ⅱ.   このような企画の背景:
1.分子遺伝学は、分子生物学とヒト遺伝学を網羅したあまりにも範囲の広い分野である
2.大学1年で生物を履修しているものの、多くが物理受験生で、生物学を専攻してきた学生との知識のギャップがあまりにも大きく、全員が理解しあう工夫が必要
3.この分野は、これから履修するほぼ全ての医学分野の基盤となるため、最重要とおもわれる部分は必須の知識であること

4.着任して2年間は、これらを詰め込もうと努力したが、教科書をあまり読まない学生が多く、結果、習熟度は驚くほど悪かったこと←これは、自分の学生時代を振り返って、あまり文句言えない

5.基礎、臨床研究の基本でもあり、そのためには、教科書にかかれていることだけでなく、今はまだ解明されてない、エッジの部分に興味をもってほしい←これは、一部(1割くらい)の学生にとって、特別大切なことだと思う

6.そのためには比較的時間があり、まだ柔らかい能力をもつ、今こそ英語でかかれた原著論文を読む努力をしてほしいこと

V. 試験の合否判定:

プレゼンテーション(班の点数)   20点

論文レポート(個人)          20点

筆記試験(学生と考えたプール問題から)  60点

合計 100点で6割あればOK! できれば、全員、をとっていただきたく。。。

Ⅵ. 反省点・問題点:

教官が講義する時間が少なくなる。

給料分はしっかり、講義すべきか。。←Passive Teachingの問題点

謝辞

麻酔科大学院生  山本寛人先生

システム発生・再生学分野 特任講師  森雅樹先生(現 滋賀医大)

医学教務掛分室 黒木 聡子さん

大阪大学歯学部 西村理行教授

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