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「マウスにおけるmiR-146bの欠損は造血器腫瘍を引き起こすことを発見」 ― 小さなRNAが血液のがんを抑制 ―をBlood Advancesに発表

microRNA (miRNA)は、標的 mRNA の翻訳抑制および/または分解をもたらす小さな非コード RNA です。 過去の報告により、miRNA は炎症、細胞分化、細胞増殖、および腫瘍形成を含む多様な生物学的プロセスにお いて重要な役割を示すことが示されています。我々は、TALEN 法を用いて miR-146a ノックアウトマウスの作製を過去に報告していましたが、新たに miR-146b ノックアウトマウスを作製しました。10-23 ヶ月齢のmiR-146b ノックアウトマウスに、19% (4/21) の割合で悪性腫瘍が発症するこ とを示しました。また、miR-146a ノックアウトマウスで発症した B 細胞リンパ腫は悪性細胞がびまん性に広がり、 核の異型も強いのに対し、miR-146b ノックアウトマウスで発症した B 細胞リンパ腫には結節状に広がり、また 核の異型が弱いなど、形態に違いがみられました。マウスの脾臓 B 細胞に刺激を加えたところ、24 時間後から 72 時間後にかけて miR-146a および miR-146b はともに発現が増加しましたが、miR-146b の発現量は miR-146a に比べて低いことが示されました。一方、 miR-146a および miR-146b を強制発現させたベクターを用いたルシフェラーゼアッセイを行うと、miR-146a およ び miR-146b はともに NF-κB を抑制する効果を示し、レポーターライブラリーシステムを用いた標的遺伝子の スクリーニングにおいて、共通の mRNA を標的にすることがわかりました。さらに、miR-146a および miR-146b ノックアウトマウスの脾臓から分離した B 細胞は、増殖能が亢進してい ることがわかりました。以上、本研究では、miR-146b が悪性腫瘍の発症を抑制していることを明らかにしました。miRNA は様々な生体機 能を調整することが知られており、本研究の結果は、miRNA が関与する疾患の病態解明や治療、バイオマー カー開発につながることが期待されます。

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